UNIQLOOKSはユニクロにとって最も効果的なブランディング戦略

ファッションストアの着こなし提案新時代
6月3日の日経MJの一面に、ソーシャルメディア時代、スマホの普及に伴う、新時代のファッションストアの着こなし(コーディネート)提案に関する記事が掲載されていました。お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、私のコメントも下欄に、ほんのちょっと掲載されています。

 記事では、複数のセレクトショップのショップスタッフによる着こなし提案の投稿(常時1000〜2000)を閲覧でき、そのショップへ誘導するiPhoneアプリ、スタッフスタイル(約15万ダウンロード済み)から、
以前、当ブログでも紹介した、ユニクロをパーツとして着こなしたおしゃれさんのスタイリングをフェイスブックで閲覧、評価(いいねボタン)できるユニクロの「ユニクルックス」まで、スマホなどケイタイ端末上でコーディネート提案が楽しめる4つのサービスが紹介されていました。

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 店頭が唯一の顧客との接点だった時代から、今や、店頭で見てウェブで買う、ウェブで見て店頭で買う、その両者のシナジーがものを言う時代・・・

 特に、ユーザー参加型でインタラクティブソーシャルメディア(ブログ、ツイッターMixi フェイスブックのようなSNS)時代においては、企業は、「プッシュ型」マーケティングだけでなく、さりげなく、その輪の中にいることが雌雄を決するようになるでしょう。

 誰が勝ち組?とかではなく、企業の規模にかかわらず、その輪の中にいるかいないか?いかに共感を呼び、イケてると思われるか?そして口コミの輪を広げられるか?が活用ポイントであると思います。

 この効果って・・・大資本が勝利するのではなく、むしろ、企業規模が小さいほど、その実行対効果(企業規模に対するインパクト)は大きいと言えるのではないでしょうか?ですから、今からでも遅くない・・・小粒な会社、新興企業ほど、どんどん活用すべきであると思っています。


 さて、今回紹介されているネットを利用した新しい着こなし提案の形は、それぞれが時代の先端を行くコミュニケーションツールのいくつかであると思いますが・・・

 その一方で、ファッションストアとしての大事な役目、顧客満足の真実も忘れてはならないと思います。

 それは、ストア側が魅力的な「提案」をし、それに興味をもってお客さんが「わざわざ」店に足を運んで下さった時、その商品の在庫をしっかりと店頭にそろえておく「責任」があるということです。

 いくらお客さんを期待させても・・・品切ればかりでは、お客さんをがっかりさせるだけ・・・提案が魅力的であるほど、失望も大きくなるのではないでしょうか?

 多くのファッション企業が広告宣伝やVMDで顧客を魅了する技術を持っていますが・・・それと同時に、売りにつなげるためのSKU単位までの在庫の裏付けを緻密に考えている企業がどれだけあるでしょうか?

 その点は、中間サイズ切れを起こした商品を、補充品が到着するまで、そのカラーごっそり顧客の目に触れないように(欲しがらないように)、バックヤードに隠してしまう、ZARAの気遣いを見習って欲しいものです。

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 期間限定、数量限定で希少性を訴えたり、少量入荷のため、今買わないと売り切れる、「売り切れ御免」とは違い、

 顧客との信頼関係を築きあげることを目的とした販売促進ツール、それはチラシでも、CMでも、カタログでも、今回のような最新デバイスやコミュニケーションツールでも・・・表面のかっこよさだけではなく、しっかりとビジネスにつなげる、裏の在庫コントロールもしっかり考えてほしい、新しい提案が出る度に仕事柄、そう思う日々です。

 追伸:ここのところ、業務の関係で、ブログ更新が滞っております。電車の中から、時折ケイタイでアップしている、ツイッター(PCサイト左側バナー部分に内容表示されています)もありますので、よろしかったらお読みください。