自分の仕事を作る

まえがき

現代人の生活は他人の仕事の集合体でなりたっている
つまるところこの世界は一人一人の小さな「仕事」の累積であり、世界が変わる方法は一人一人の手の中にある。
しかし、人々が自分の仕事をとおして、自分たち自身を傷つけ他人をも傷つける悪循環が長く重ねられてきているのではないだろうか。
たとえば「人間はみな大切な存在で生きている価値がある」という肯定的なメッセージを発信している仕事はいくつあるのだろう。
では、なぜ多くの人がそれを出来ないのかという問題提起から、「仕事」の過程である「働き 方」について調べることでいくつかの解決方法が見つかった。

1、働き方が違うから結果も違う

八木保デザイン事務所
「本人の解像度の高さが、その人のアウトプットの質を決める」
「そのフィルターとして身体と環境が重要なファクターとなる」
深沢直人
「デザインをはじめるにはまずオブザベーションを通じて、問題を発見し、デザインのヒント を探し出さなくては行けない」
「短時間に頭の中で完成させず、モノを作り出す過程の中での体験にもっと耳を傾ける必要   性」
象設計集団
「手を動かす前の時間の豊かさが、仕事を面白くする(仕事への充足感)」
「大事なのはコンセプトの精緻化よりも、むしろスタッフ間のコンテクスト(共有知)を育む  ことにある」
伊藤 弘(グルービジョン)
「確かに僕らはすごいハイコンテクストで、あまり言葉を交わさなくてもだいたい狙った効果  はだせます」
柳 宗理(財 インダストリアルデザイン事務所)
「考えることと作ることは一つの連続した仕事」
「デザインの先に人がいないデザインの為のデザインは居心地の悪さを感じる」
デニスボイル(IDEO
「モノ作りにおいて失敗を重ねることで、本当の問題を発見する能力が大切」
「今の時代で大切なことは想像力です。新しいものを作り出す力を意味する以上、失敗は避けら れるものではない」
パタゴニア
「人がアウトドアーで快適に楽しんで過ごせる為の機能性を大切にしている」
「そのために徹底的なテストでクオリティーを高めていく」
宮田 識(ドラフト)
「大事なのは自分がしっくりこない事や疑問に思う事を素通りしないで常に意識し続ける事、自 分らしさを模索し続ける事」
佐藤雅彦
「今は社会があたらしい課題を探している時期。ここで大切なのは考え方を考えること」
「何を凄いと思うか、何を美しいと思うか。そういうことは人に教えるものではないし、教える ことの出来ないものです。」
「目の前に何がきても対応出来る根源的な考え方が必要」
「好きだけど理由が分からないものをいくつか並べてみる=要素還元」
「深度を極端に深めていくと自分という個性を通り越して人間の本質にたどり着く」
「自分を掘り下げる事で他人とつながる」
ラウラ・ポウリノ(アレッシー)
「良いデザインに名前をつけて出すことに興味はない、自分自身がデザインするとか絵を描くの ではなくて、みんなの力、社会性のあるフフェン的で大きなテーマ、社会の内側から社会その ものを変えてゆく様な集団のクリエイティビティーに興味がある」
齋藤孝
「何かを学び・会得していく上達のプロセスは人のエネルギが最も理想的に昇華される活動」
小林弘人

2、他人の仕事と自分の仕事


植田義則
「そもそもの仕事の価値は自身の存在に深く根ざしている」
「大事な人が自分の為に作ってくれたものであれば多少形がいびつでもそれだけの理由で価値が損なわれる事はない」
黒沢輝男(IDEE)
「何にもなりたくない。あれはやだからこっちだなという繰り返し」
甲田幹夫
「矛盾がかんじられない仕事=仕事を巡るダブルバインド
「良い仕事=嘘のない仕事」
ヨーガンレール
「モノを作る以上、永久に存在するようなつもりで作っています」
「本当に必要なモノは何だろうという引っかかり」
「そのモノ自身が大事か大事じゃないかが一番大切」
エコロジーとはイデオロギーでなくセンスの問題」
馬場浩史
「モノ作りの基本は身体というアンテナ」
「結局は個人的な事。自分の個人的な事をきちんと掘り下げて一つ一つ形にしていきたい」
「自分の欲しいものを少し多めに作って好きな人がいたらどうぞっていうスタイル」
「日本が対外的に経済力が低下して行く時、足元から生活を作り上げる力は凄く重要」
ファインモールド社
「十人を超えたらダメですね。売り上げも意識せざるおえなくなる」
「ガレージキッドは自分が欲しいものを作る」

*デザインという仕事の本質はモノを形作るというよりむしろ提案する事にある」
「デザインは極めて個人的なアイディアを具体的な形の中で提案する仕事」
「デザイナー=プロジェティスタ(計画を前に押し進める人)」
「自分を満たす、自分事としての仕事」