世界の失業者2億人、世界の起業家も2億人

2億人という数字について、2つの観点で報道がありました。
時代の転換期の失業者対策には、起業の奨励がベストと私は思います。

失業者、依然2億人超

国際労働機関(ILO)は25日、2010年の世界の失業者数が推計で前年比ほぼ横ばいの2億500万人、失業率が0.1ポイント下落の6.2%だったとする報告書を発表した。11年も失業者数は2億330万人に上る見通しで、金融危機後も雇用情勢の回復が鈍いことを示した。

特に将来の経済を担う15〜24歳の若者については、10年の失業率は12.6%、失業者は7770万人に上っている。

金融危機の打撃をまともに受けた先進国や欧州諸国では、07〜10年の間で失業者は1570万人も増加。同期間の世界全体の55%を占め、新興国や途上国での回復の足を引っ張っている。09年には、1日当たり1・25ドル(約100円)で暮らす就業者は世界全体の20.7%に当たる6億3190万人で、「ワーキングプア」の存在も課題として残っている。


世界で2億人の起業家が活動中、GEMの2010年報告書

グローバル・アントレプレナーシップ・モニター(GEM)は、世界59の経済地域で18歳から64歳までの2億人の人々が活発に新規事業を起業あるいは経営している、との調査結果を発表した。GEMは、起業家の取り組み姿勢や活動内容、抱負などについて世界的規模で最大かつ最も包括的な調査を行っている。

GEMの2010年版報告書によると、こうした起業初期段階にある起業家のうち6300万人は、今後5年以内に少なくとも5人は雇用すると見込まれており、2700万人は新規創出した職場に20人以上を雇うと見込まれている。世界全体での雇用創出において起業家が生み出しうる貢献は、経済成長にとって重要である。

経済に対する起業家の貢献は、起業家の数だけにとどまるものではなく、経済成長や、技術革新、国際化に対する小規模企業の影響を考えることが重要だ。
今回のリポートの執筆者の一人であるドナ・ケリー教授は、雇用創出の面では「政策立案者は、現在活動している起業家の数にとどまらない視野を持つことが必要だ。
こうした個人による経済成長や、その国の競争力に対する貢献を理解する必要がある。これらの起業家たちは雇用を創出しているのか。彼らは革新的な、世界的企業を築きつつあるのか。これらは問うべき重要な問題だ」と述べた。
人々は経済状況によって、とりわけ希望を満たす十分な雇用がないときには収入源として起業を促されるが、雇用された人々も新規事業がもたらす機会から恩恵を受ける。支援環境があれば、多くの人が起業に思い切って取り組むことができる。
社会全体でも異なったタイプの起業家によるさまざまな事業形態や段階があるべきで、世界全体をみると、初期段階の起業への参画について女性と男性を比較すると、世界によって大きく異なっている。韓国では男性起業家は女性の5倍であるが、ガーナでは事業を開始するのは男性より女性の方が多い。

GEMは2010年、17万5000人以上、世界全体の59経済地域の専門家3000人以上を調査した。この報告は世界人口の52%以上、世界の国民総生産(GDP)84%を調査対象としている。この調査は、米バブソン・カレッジ、チリのウニベルシダド・デル・デザローリョが世界的スポンサーを務め、各国のアカデミック調査チームの国際的ネットワークを通じて行われた。