これからは林業

住宅・建設用の木材不足がこれから深刻になります。
わが国で使用される木材の供給は、米国・カナダ、オーストラリア、欧州、アジア、ロシアなど、世界から輸入しており、国産の木材は20%強です。このうち、製紙用のパルプ・チップを除きますと、輸入先はロシア、マレーシア、インドネシア、欧州など限られます。
ロシアやインドネシアなどは、国内消費の増加や政治的理由で外国への輸出に歯止めをかけています。今後は、今まで以上に輸入量が減ることが確実です。ただ、原油レアメタルと違って、木材のための森林が国内消費をまかなうだけあることです。
国内の森林面積はこの40年ほとんど変わりませんが、木材の量は伐採してこなかったため、40年で2倍以上に増えています。国有林は変わりませんが、民有林には住宅用木材が手付かずにあります。
これだけ木材がありながら、外国産を輸入している背景には、林業に従事している労働者が減少し、しかも高齢化していることです。また、山林を所有している事業者が小規模なため、管理、伐採、出荷と効率が悪いことです。
生産に長い年月のかかる林業ですが、わが国の場合はお膳立ちは整っています。今求められているのは、大規模管理や伐採が行なえる技術と従業者の数と、流通の合理化です。これらの革新が進むと、木材の自給率は飛躍的に高くなります。