デフレ時代の起業について

物価が継続的に下落するデフレ経済は、世界的にも本当にめずらしい状態です。わが国がデフレに陥ったのは、1930年代の金融恐慌の時と、終戦直後の混乱時、そして1997年以降からの金融危機の時です。

企業にとってデフレが怖いのは、売上げが減少し続けることと、それに伴い過去の借金の負担が年々重くなることです。現在、上場企業の4分の3は売上げを増やしています。これらは、海外事業によるもので、国内に限りますとほぼ横ばいです。

デフレにおいては、倒産しておかしくない企業が低金利と、国の緊急金融支援によって生き残ります。そして、これらの企業が生き残りをかけた安値販売をするため、市場は供給過剰の状態になります。

このような市場に起業する会社は参入するわけですから、何かしら他社とは違う販売戦略を駆使しないと、起業を軌道に乗せるのは本当に難しくなります。

一般的に考えられるのは、起業する業種をデフレの激しくない業種にすることです。また、開業する市場を競争の少ない場所に変えることです。これまでにない販売方法や仕入れルートは強力な武器になります。

このように先手を打っての起業でなければ、デフレ経済では事業を軌道に乗せるのに苦労します。現在、英語会話ビジネスは、大手企業の英語力重視によって市場がドンドン伸びています。

英語に関連するビジネスも活況を呈しています。このような業界の場合、非効率だったNOVAやジオスが倒産したことにより、参入が楽になりました。

また、会話通信のスカイプを利用したり、インターネットを大幅に導入するなど、技術革新を進める会社が増えています。このような市場では、デフレとは縁のなく、お客さんの好みに合ったまっとうな競争が起こっています。

デフレを訳なく怖がることはないと思います。よく理解したうえで、デフレの影響をあまり受けない、業界や開業場所を見据えて起業することです。

国民全体がデフレに対する認識は希薄です。ただ、物価はまだしばらくは下がると云った期待は持っています。この大多数の人の値下がり期待感がデフレです。一方、ガソリンや農産品などは、期待感に反して値上がりが続いています。デフレといっても、何もかにもが下がる訳ではありません。起業では、このお客さんの雰囲気を読むことで、お客さんの期待に応えられます。